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株で絶対に負けない方法は「株をやらないこと」です。
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前回の記事
http://9den.3rin.net/Date/20190705/1/

――の続き

前回は「儲かる儲からないに関わらず、知らないということは恥ずかしいことだ」と結論付けた

つまり、テクニカル分析をメインとする短期売買のトレーダーであっても、ニュースの読み方やPER、PBRなどの長期投資指標を、活用するしないに関わらず知っておくべきだと思うし、逆に長期投資をメインとするトレーダーであっても、テクニカル指標での見方を知っておくべきだと思う

そんなことを知ったところで、使うわけじゃなし、意味ないだろう、という意見もわかる

実際、オレたちが高校生の頃に、あんなに必死で勉強した微分積分だとか、物理だとか、世界史、化学などの知識は、現在の生活で全くと言っていいほど使われていない(英語はまぁ役には立つかな)
無論、職種によるが、土方紛いのことをやっているオレのような人種にとっては、そんな勉強よりも「上司へのゴマのすり方」「女の落とし方」「パチンコの勝ち方」「インターネッツとの付き合い方」「SNSの危険性」「冠婚葬祭での立ち回り」「食中毒にならない料理の仕方」「税金」「年金」「ブログのアクセス獲得法」「アメリカ大統領のツイッター」などの勉強のほうが、よっぽど今の役に立つ

がっちゃけた話、中学高校の授業をまともに聞くモチベーションがあるのなら、その分、体育会系の部活にでも入って、先輩後輩との付き合い方を学んだり、適当にバイトでもやって、社会との関わり方を学ぶほうが、豊かな人生を歩めるのではないか、とさえ思う

特に投資とギャンブルについては、少なくとも高校生レベルで教えておくべきだと思う
高校生のバイト代で稼げるレベルの金で大損して、後の大損を回避するほうが人生にとってはよっぽどいい
「ギャンブルなんて知りません、投資も知りません」なんて状態で定年退職して、がっぽりもらえた退職金を、変な勧誘に引っ掛けられて株にぶち込んでしまうほうが、パチンコスロットで大負けするよりよっぽど危ない

――とまぁ、未成年時代のオレたちは、やたらめったらと色々な勉強を強いられたものだ
これを活かすも殺すも本人次第なので、完全にぶっ殺してしまった土方紛いのオレにとっては、無駄以外の何物でもなかった

「勉強」というのは、誰かが築いた「答え」を吸収していく行為だと思う
何も知らない未成年だったオレたちは、先人たちが築き上げてきた「答え」を知ることで、先人たちが生涯を賭けて成し得た物を吸収していくわけだ

オレたちは、小学生の頃から地球が太陽の周りを回っていることを知っている
地球が自転することで一日が経つこと、地球が公転することで一年が経つこと、地球の地軸が傾いていることで季節があること、地球が球体であること、などを子供の頃から知っている

しかし、これらを明らかにした科学者や天文学者は、おそらく生涯を賭けて、この分野に取り組んだのだろう
研究が認められなかったり、愚かだとバカにされたり、迫害された者もいたかもしれない

オレたちは彼らが成し得たことを、小学生の授業で教わる
地球が回っていようと、球体であろうと、土方の仕事にとっては何の役にも立たないのにだ



しかし、この無駄な勉強は「実は必要な肯定だったのでは?」と今なら思う

その理由が、ようやく登場する本題
「研究をすること」についてだ



オレたちは株をやっている
この分野は、古今東西様々な学者や専門家が「あーでもないこーでもない」と言い続けて、未だに「答え」に辿り着けていない分野だと、オレは考えている

「経済のことなら何でも任せよ!」と言えるだけの勉強をしたはずの経済学者であっても「大衆心理などオレの手にかかれば赤子同然よ!」と言えるだけの人間を見てきた心理学者であっても「未来予知など朝飯前だ、隕石の衝突や大型地震のタイミングもわかる!」と豪語するインチキ臭い預言者であっても、ついに株価の予想だけはできなかったってわけだ

だって、もしできていれば、他の何が人よりどれだけ劣っていようと、その能力だけで生きていけるじゃあないか
相場で大儲け、それを本に書いて更に大儲け、公演開いて大儲け、儲かった金で更に相場で大儲け
もうこれだけでええやん、ってなぐらい大儲けに次ぐ大儲けができる

誰でもわかるこの構図だが、未だかつて、誰一人としてできていない
一時は城を築けるほどの儲けを手にしたが、市場でそれ以上の金を奪われ破産した人はたくさんいる
有名なバフェットでさえ、新時代についていけずに大損をこいている始末

それが「投資」と呼ばれる分野であり、オレたちは血と汗と鼻水の結晶である己の金をリスクに晒しているってわけだ
前人未到の黄金卿を求めてな

そう、前人未到なんだよ、株を攻略するということは



つまり、先人たちが築いてきたもの――
それはテクニカルを始めとする様々な指標であったり、ニュースの読み方であったり、アメリカ大統領のツイッターであったり、とまぁ挙げればキリがないが、こういった知識を取り入れて吸収するだけでは、まだまだまだまだまだまだ足りない、ということが最初からわかっているわけだ

株に関連する書籍は何冊も読み「すでに知らないことのほうが少ないぐらいだ」と言えるだけの読書家であっても、明日の株価の動きはわからないわけだ

オレたちが前人未到を攻略するためには、未だかつて誰も知らなかったことを知っていく必要がある

誰も知らなかったことを知っていく・・・
そう、これが「研究」というヤツだ



天動説が信じられていた頃「それは違うかもしれない」「実はこちらが回っているのかもしれない」と思ったからこそ「それならその証拠を見つけよう」と研究が始まった
ガリレオ・ガリレイ、だったかな?この人も当然、小学生時代は「お空は回っているんだよ」と教えられて育ったことだろう
何せ天動説が信じられていたんだから

その頃、地球が回っているなんて、誰も知らない、そもそも考えもしない
だって、世の中の人たちはみんな「お空は回っているんだよ」と教えられて育ってきたんだから

しかし、そこに疑問を持った
疑問を持つためには、今信じられていることの全てを理解して且つ、疑問を持つだけの余地がなくてはならない
勉強した知識をフル動員させても、埋まらない穴を見つけたからこそ「違うかも」と考えることができるのだと思う



「勉強」と「研究」は意味が違う
目指す「世界」が違うと言っても良い
ただ「研究」をするためには、その下地を持っている必要がある

専門家となって、新たなものを開発していく人たちは、先人たちの軌跡を全て「勉強」し、それらを理解した上で、己の「研究」を始めるものだとオレは思う

株の売買において言えば、関する物事を全て理解した上で、新たな道を切り開いていくことが、オレたちに必要なことだ

なまじ「こうすれば儲かる」なんて簡単な話はない
先人たちの知識を吸収した後「己の道」を見つけた者だけが生き残る

オレは、今更になって「初心者向けの株の入門書」を買って、今日も読んでいる
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